日本防排煙工業会 防火ダンパー 排煙口
TOPページ
工業会概要
工業会の活動
防火ダンパー自主管理制度
Q&A集
工業会会員一覧
忙中閑話-Web MAGAZINE-
各種資料・情報
リンク集
お問い合わせ
会員ログイン

忙中閑話
目次へ戻る


Web Magazine 忙中閑話 Vol.6

気功の魅力と不思議なパワー 「防排煙No.47」掲載 
トモエ工業(株)川原信一
 最近健康ブームになり、ヨガ、太極拳、気功整体等が新聞雑誌を賑わしている。私自身約13年前に気功の能力があると言われ、練功に精進し現在に至っている。これから少し気功の魅力的な観点から、気功の体験、治療実践等を通して理解し易い様に体系的に説明したいと思います。

一、気功とは
 気功は中国医学の宝庫中の貴重な花であり、中国の医学遺跡のうち、民族的特色の濃い医療保健運動である。それは中国民族が大自然や疾病と闘ってきた中で、意識の作用で、セルフ・コントロールする経験の総括であり、自分自身の精・気・神*1)を鍛錬するための独特な身心鍛錬法である。気功には、簡単に言うと練気*2) や練意*3) の修行の意味が含まれている。気功の「気」の字には呼吸の意味があり、「功」の字には意識的に絶えず呼吸や姿勢を調整・練習する意味がある。気功の鍛錬とは練気と練意のことであって、意識によって気を引き出し、経脈*4) に沿って気を運行することによって、関係する臓腑の機能が促進・強化されるのである。また気の運行によって、元気*5)が強化され、病人の治療が促進され、身体の強壮化がはかられる。人々は病状の軽重、年齢、体質、生活条件の相違などに応じて、気功の中の静功*6)、動功*7)、動静結合功などの中から自分に適した方法を選び出すことができる。それを通して体内の陰陽のバランスを回復し、体質を強化し、病気であればそれを治療し、病気がなければ体を強化することができる。したがって、気功は意識の作用によって自分自身の心身を鍛練することであり、生命をセルフ・コントロールし、病気を取り除き、長寿をはかる健康長寿の科学であると共に、人体の「元気」を鍛錬し、体質を強化する修行なのである。

二、気功の始まり
 気功は中国の人々が大自然と闘ってきた長い歴史の中で総括し、整理し、向上しながら、徐々に完全化してきた予防治療、保健強化、長寿を目ざす鍛錬方法である。すぐれた智恵を持っていた中国民族は、数千年も前から、人間の生命運動の法則を探索し始めていた。商・周といわれた時代の初期のものと認められる銅器上に、古代人が「気功」を行っている各種の姿勢が活き活きと描かれている。この当時はまだ文字が発明されていなかったが、気功はすでに始まっていたことが、この作品に明確に表現されているのである。人類が生存して行くために、人間自身のもつ機能をふるいたたせて、大自然のもたらす数々の試練と閾い、それに打ち克ち、千変万化する大自然の環境に適応しなければならなかった。人類は大自然の色々有利な条件を利用して自分自身を保存する以外に、自分の生体を大自然に適応させて、各種の困難・苦痛・苦難を切り抜けてきた。これらの中で襲いかかってくる色々な疾患に抵抗して、自分自身を保護することの重大さが認識され、こうした認識が深められ、また予防治療のために自分自身の鍛錬力そのものを向上してきたのである。

三、気功という呼び方の始まり
 気功には儒者、医家、道士、僧侶、武術家などの各流派のものが全部含まれている。以前は各派それぞれ違った呼び方がなされていた。たとえば吐納、導引、行気、煉丹、玄功、静功、定功、性功、内功、修道、座禅、内養功、養生功など色々な呼び方がなされていた。これらは呼び方が違っているものの、今日の考え方から見れば、どれも全て、気功の前身と言えるのである。1953年に劉貴珍氏が他の人々と相談して、『気功療法実践』という本を出版した時から、この「気功」という文字について完全な解釈がなされ、昔から呼ばれていたさまざまな呼び方を一括して「気功」と呼ぶことが大勢によって支持され、正式の用語として確定されるようになった。

四、自分自身の潜在力がどうして動員されるのか
 気功鍛錬は自分で正しい練功方法を把握し、練功原則や事項に注意し、信心を持ち、我慢する心を持ち、気移りしないでやり抜く心を持ち、決心して、鍛錬を断固として続けることが大切である。これによって身体内部の機能が調整され、人体自身の中にしまい込まれて表面化していない潜在力を動員し、人体の主観的な能動性を発揮し、自分の力で病気を治し健康を増進することができるのである。薬物治療などの療法とそれはどこが違うのだろうか。他の療法で主となって誘導作用するのは薬物の性能であったり、医師の技巧であったりして、要するに患者はそれらに協力する立場にあり、ただ協同的に作用するだけである。しかし気功は患者自身の鍛錬を必要とし、それによって体質を強化し、体の抵抗力が増進し、そうして始めて治療が完成されるのである。この療法は投薬や刺鍼に依存しないで、自分自身の鍛錬に依存するのであるから、薬物作用による副作用などは起こり得ないのである。

五、練気・練意の運動
 気功の練習は人体の真気を増大強化する鍛錬である。中医理論では「気は人の生きる上での根本である」としている。ここに言われている気こそが真気のことなのである。真気は次の三者から出来上がっている。その一つは人体中の先天の気*8) である。その二は人体中に摂取される飲食物の気*9) であり、その三は天地の気*10) である。これらの三者 (元気・穀気・大気) はどれも人体の生命にとって不可欠の基本物質である。だからこの人体の真気が充分に満たされていれば、健康で長寿が得られるのである。真気の鍛錬の初期にはまず肺気の練習から始まる。浅い呼吸から深い呼吸へ、早い呼吸から遅い呼吸へ、徐々に進みながら完全に整った深長呼吸、つまり均一で、細く、長く、ゆるやかな腹式呼吸ができるように練習して行く。始めから意識して誘導し、自然で規則的な呼吸に進み、やがて自分自身の"内気"を動員し、真気を一杯に充満させ、かつそれを経路に従って運行させるのである。又気功の練習は意識の鍛錬でもある。これは練意とも言われている。練意は一方では雑念を排除して、大脳を高度な入静状態*11)にし、保護的な抑制状態におかねばならない。また意守*12)も練功の大切な内容である。入静がうまく得られれば意守も容易であり、雑念も自然と排除される。意気合一の状態*13) に進入すれば、真気が増強されて、予防治療、長生き長寿が実現されるのである。

六、慢性病患者に適した鍛錬と言われるのはなぜか
 俗に「生命そのものが運動だ (運動の中に生命はある)」と言われている。しかし慢性病患者の中には激しい運動の出来ない人がいる。彼らこそ気功鍛錬が適当であると思っている。気功には多種多様な功種、功法がある。その中には激しい運動の出来ない慢性疾患の患者は、自身の病状、体質、条件などに応じた適切な功法を選んで気功鍛錬することができる。たとえば立功、座功、体質の虚弱な人ならば臥功にするが良い。どれでも良い効果が収られる。だから慢性疾患者には気功練習が非常に適しているのである。
 今までの内容は主として内気功について記述したものである。内気功の練功法に私の気功塾では、千年以上の歴史がある華山派は極秘の功法で、人体の骨格を意識して筋肉内蔵を強化する仙人長寿功を練功している。三年程度で始めての人でも、外気功を収られるようになる。しかし、まだ外気功による治療は充分ではない。しかし自分の体の内蔵等の治療には大いに役立っている。例えば肺・心臓・関節・中枢神経・ホルモン・ヘルニア・腎臓・肝臓・腰痛・冷え性・坐骨神経痛等である。

七、外気功による外気治療とは
 練功を積んでいる医学気功師が患者の体に触れる或いは触れないことによって、患者の体の穴とか部位を通して、筋肉、経絡、臓腑、循環と神経系等の機能を調節したり、改善したり、治療したりすることである。私自身の治療経験は 6年程度で浅いが例を上げれば、坐骨神経痛、腰痛、便秘、五十肩、歯痛、冷え性、高血圧症、糖尿病、関節痛等である。未だに日々研究の毎日であります。これからも研究を重ね人々の健康に役立つように努力して行きたいと思います。外気功について機会があれば次回詳述したいと思います。

医学気功整体師 川原信一

* 脚 注 *
1) 精・気・神 中医学独特の用語である。
2) 練気 気を練る
3) 練意 こころを練る。
4) 経脈 体内の気の流れる径路。
5) 元気 精気ともいう。
6) 静功 内功ともいう。外面上で安静に行う気功のやり方。
7) 動功 静功に対して外見上で活動して行うやり方で、外功ともいう。
8) 先天の気 父母から生まれながらに受けついでいる精気。又元気ともいう。
9) 飲食物の気 飲食した栄養物から作りかえられたエキス分。精気ともまた穀気ともいう。
10) 天地の気 天地とは宇宙を意味し、その気の主なものは酸素であり、大気ともいう。
11) 入静状態 思考にまどわされず、雑念に邪魔されず、純粋に無念無想の境地に進入すること。
12) 意守 自分の意識をある箇所に固定し、そこから離れないで、心で見守ること。
13) 意気合一の状態 自分の意識で呼吸の気と体内の元気とを把握した、統一集中の状態。


目次へ戻る PAGE TOP

© JAPAN FIRE & SMOKE PREVENTION SYSTEM ASSOCIATION All Rights Reserved.