フリーソフトJW_CADの出会いは、ある雑誌の92年10月号のほんの1行、それは建築知識92年6月号にフリーソフトCADが付録フロッピーデスクに収録されている記事から始まる。残念ながら書店には売り切れてなかった。どうしても手に入れたくて神保町の古本屋を回って建築専門の古本屋で見つけたときは嬉しかった。
今もそのとき購入した「建築知識92年6月号」を大切に保存している。表紙には、すぐに始めるCAD製図・設計に即使えるCAD「JW_CAD」完全解説、建築専門誌初の付録フロッピーデスク・JW_CAD実用版とある。
このフロッピーデスクはまだ5インチタイプで、そろそろ3.5インチへ移行する時期だった。私のパソコンもFD5インチタイプ内蔵ですぐに利用することが出来た。
JW_CADは91年5月にパソコン通信のニフティサーブ内にある建築フォーラムにjw_software clubが発表したもの。同時にJW_CAD専用会議室が設置され、公開半年で512件の会議室への書き込みがあったとのこと。そして要望・バク取り等の試作期を経て、Ver.1.0として正式公開されVer1.56の解説本がソフト付きで出版され、機能充実を図りながら現在のVer.2.2Hで完成されている。OSがWindows時代の今なおMS-DOSのJW_CADが現在も活躍している。
このフリーソフトの凄いところは市販ソフトに匹敵するCADソフトであると言うこと。そして使い勝手が良く軽快であること。ドラフターと製図板を使って来たものにとって抵抗なく入れたこと等。ちなみにJW_CADは94年に第3回フリーソフト大賞を受賞している。また当時の読売新聞経済欄に「フリーソフト業務用に人気」の見出しで、次のような記事が掲載された。
パソコンネットワークなどを通じて無料で利用できる「フリーソフトウエア」に最近、建築設計などの専門家向きの高度な業務用ソフトが出回り始めた。フリーソフトは種類が豊富なうえ、パソコンネットの使用料だけで手軽に利用できるため、人気は広がる一方だ。その反面、市販ソフトの売れ行きに影響が出る事態も起き、波紋が広がっているという記事。
私もJW_CADのバーションアップを利用するためにパソコン通信を始めた1人であり、インターネットの現在もその当時のIDをメールアドレスとして使用している。
現在、同じ作者によるWindows版のjw cad for Windowsが公開さているので興味のある方は利用して見てはいかがですか。このWindows版も現在バーション2.24aになっており、これからはこのソフトを利用してい行きたいと思っている。
「フリーソフト」とは
フリーソフトウェアは主にパソコン通信(現インターネット)で流通・転載しており、作者の意向で無料で使用してよいソフト。但し著作権は保持されており、勝手にプログラムの改変などは出来ない。また、サポートの義務・使用の不具合の義務を生じない。よって自己責任において利用するもの。
フリーソフトの価値や特徴は何かと言えば、軽快でしかも素晴らしいアイディアに富んでいること。ユーザの声を聞きながら迅速にバーションアップを繰り返す特徴がある。
MS-DOSの時代から現在まで優れたフリーソフトが多く、私も大いに利用している。ただし、自己責任において。
JW_CAD専用会議室に判らないことがあれば質問し、作者またはヘビーユーザの方がだいだい回答してくれる。また会議室の内容をチェックすることで納得することが多い。また、このJW_CADソフトを使いやすくする関連ソフトが多数登録されている。これらは愛好者のヘビーユーザーが行っている。
一例として、JW_CADで作図保存、フリーソフトemで呼出し、編集・コピーで、エクセル・ワード・一太郎などに作図したものを貼り付けることが簡単に出来る。
「シェアウェアソフト」とは
フリーソフトの延長上に、シェアウェアがあり、フリーソフトには金銭授受をしないが、シェアウェアは利用者に対し利用料を要求する。一定期間の使用は自由と言うのが特徴で、ソフトを試してみることが出来、良ければ利用料を支払う。バーションアップ料は不要である。またサポートはしてもらえる。
「その他」
フリーソフトJW_CADが出現してから、国内のCADソフトメーカーはJW_CAD互換に対応したソフトが出て来ており、また、価格が大幅に安くなってきた。ユーザにとっては嬉しい限りである。
国土交通省が推進している建設CALS/ECにおいて、CADデータ形式「SXF」に対応できるようこれから取り組みたいとJW_CAD作者は言っているので期待している。
最後にJW_CADを世に送り出してくれたjw_software clubの作者に感謝します。 |